ai-no-project

ai-no-project :::  藍のプロジェクト

※ここでは2004年の紹介をしていますが、もちろん今年もやっています。
 

2004年4月末

無農薬で藍(ai)を育てて、藍の生葉染めをしようというai-no-projectを今年から始めました。 有機野菜を作っているプロ百姓の友人の協力により、彼が管理している田圃の一角に、藍(ai)の種を植えたのは2週間前のこと。今日様子を見てみると、植えた藍の種から芽が出て、ただ今全長4センチ程に育っています。すくすく育って下さいね。10〜15センチになったら植え替えです。右の写真はaiの新芽の拡大写真です。

2004年5月中頃

天気はいいし、絶好の野良日和です。さあいよいよ植え替えの日が来ました。スタッフで田圃に向かいます。見るとaiの新芽は見事に成長して今では10センチ以上に育っています。aiの引っ越しだ〜。
スコップで土を起こしてゆきます。1本1本を丁寧に、aiの新芽のか細い茎や葉を傷つけないように丁寧に、周囲から起こしてゆきます。根は以外に伸びていて、細かな根が土にからみついています。スタッフみんな春らしからぬ熱い日差しの中で、和気あいあいと作業を続けます。
作業1時間で、5つのトレー一杯にaiの新芽が並びました。右の写真の満面の笑顔の4人がアルデバランの薬効手染めスタッフの面々です。みんな作業着が様になっています。右から2人目が薬効手染代表の中村由産です。
田圃の側で咲いていた紫の花と赤色が鮮やかな野いちごの実
さあ、この三日月型の田圃がaiの新芽達の新しいお宿です。すでに土起こしも終わり、後は運んできた新芽を植えるだけです。新芽は30センチ間隔で。大きく育ったものは1本づつ、小さいものは2〜3本づつ、やはり丁寧に植えてゆきます。
「aiちゃんガンバってね」と声をかけて1本1本植えてゆきました。大きく大きく育ってもらいたい。やはり愛情が一番の栄養のようです。こうして三日月の田圃一面は、小さなaiの列が出来ました。これだけしか植えないのと言われるかもしれませんが、aiが大きくなれば、田圃はaiで埋まってしまうくらい、 aiは大きくなるのです。
aiの並んだ三日月田圃の真ん中で記念撮影。お疲れさまでした。aiを植え替えた次の日は、大雨が降りました。aiにたっぷりと水が与えられ、天の恵みに感謝感謝。

2004年7月ある晴れた日

aiの畑(田圃)です。友人の口利きで、ずっと無農薬で稲をそだててきた田圃をお借りして、もちろん無農薬で藍を育てました。5月に植え替えをして、今年の暑い日差しの中、何回もスタッフが草取りをしました。こうして、aiはここまで育ちました。天の恵み、スタッフに感謝です。さて、aiを刈る時がきました。いよいよaiの生葉染めができます。
刈り取ったaiです。青々としっかりと育っています。水洗いをした後、葉っぱをちぎってゆきます。山のようにあったaiも茎を取り除き葉っぱだけにすると、あっという間に容量は少なくなって行きます。ある程度たまったら、水をくわえ、藍の成分を抽出します。
藍以外の染料は染材を鍋に入れ熱をかけて煮出して染液を抽出しますが、藍の生葉染めの場合は煮出しません。ご覧の通り生葉に水をくわえ、手で揉んで揉んで揉み込んで染液を抽出してゆきます。樽の中は、明るい緑色から深い藍色に変わってゆきます。素手ですると手も青色に染まります。「染まるけど素手が気持ちいいのです」とはスタッフの弁。
揉みだした葉をサラシに移して絞り出してゆきます。サラシが次第に美しい青色に染まってゆきます。じっくりじっくり絞り出して、これで染液の完成です。色は深い深い藍色です。
前もって何度も水洗した素材を出来たての染液に静かに浸けてゆきます。この時のポイントは、素材に均一に染液が回るように浸けることです。そうでないと均一な色にならずまだらな染めになってしまいます。静かに染めては上げることを繰りかえすと、次第に素材の色が深くなってゆきます。
普通は媒染といって、染めた色を定着させるもの(当社では媒染もケミカルは使っていません)に浸けるのですが、藍の生葉染めの場合は媒染は使いません。染め上がったものは続いて、何度も何度も水で洗います。この時これまでは少し緑がっていた布の色が、水にさらし始めた瞬間に一気に明るいブルーへと変わるのです。始めて見ると不思議な感動があります。
よく水洗いをした後、陰干しをします。写真は出来たてのストールです。風にゆらゆらとなびいて、とても美しいストールができあがりました。これから10月くらいまで畑のaiを刈って、5本指ソックスやショーツやTシャツなど、いろいろな素材にaiを染めてゆきます。私たちが育てたaiの薬効手染シルク製品を宜よろしくお願いたします。